VIRTUAL
INSANITY

Jamiroquai

Virtual Insanity ミュージック・ビデオの部屋。コンクリートの壁と動く床の中央に立つJay Kay(公式MVのフレームより)
公式ミュージック・ビデオより(フレーム切り出し)
Jamiroquai「Virtual Insanity」公式MV(JamiroquaiVEVO・1996年作品の4Kリマスター)Jamiroquaiの部屋へYouTube ↗

タイトルの意味

Virtualは、分かる。

では、Insanityは?

VIRTUAL REALITY

VIRTUAL INSANITY

insanityは、狂気。

当時話題の「ヴァーチャル・リアリティ」をもじって、Jay Kayは来るべき未来をこう名付けた——狂気じみたヴァーチャルな世界。

タイトルの由来はSony Music公式サイトの解説 ↗より。

この曲、日本から生まれた?

1990年代、日本のある街。

地上は雪に覆われ、通りには誰もいない。

「みんなはどこに?」と尋ねると、

老婦人が、地下へ降りる階段を指さした。

階段の下には——人、人、人。
色と、音。ひとつの街があった。

1999年、東京ドームのステージ。Jay Kayはこの体験を自分の口で語り、その印象をまとめたのがこの曲だ、と話した。

1999年東京ドーム公演のMC映像に残る本人の発言(Qetic 2018 ↗

SAPPORO?

SENDAI?

1999年のMCでは札幌。 20周年記念盤のライナーノーツでは仙台
本人の記憶の中でも、都市名は揺れている。

でも、雪の地上と、地下の群衆は残った。

1999年の東京ドーム公演のMCでは札幌として語られ、『Travelling Without Moving』20周年記念盤のライナーノーツには仙台と記されている(Domingoの検証記事・2026 ↗)。ジャミロクワイの札幌公演は1995年2月、曲の発表は1996年

もう一度、同じ映像を

狂気じみたヴァーチャルな世界。雪の下の、にぎわう地下街。

それを知った上で——もう一度。

同じ公式MV。1秒も変わっていないYouTube ↗

映像は、1秒も変わっていない。
それでも、さっきと同じには見えないはずだ。

19962026

ここから、30年とぶ。

30年後の本人

「今の世界は変わってしまった。恐ろしい軍のAIマシン、イカれた億万長者たち、巨大テクノロジー企業が運営しているかのような気がする世界」

— Jay Kay。近年の本人書き下ろしライナーノーツから(Sony Music公式サイト掲載の和訳

30年前に「未来」と名付けられたものの中に、私たちはいま住んでいる。

そして発表から30年目の2026年8月、この曲の公式日本語訳付きMVが公開された。この歌は、ようやく日本語で読めるようになった。

公式和訳付MVは2026年8月5日公開(Sony Music公式サイト ↗

公式和訳付MV(JamiroquaiVEVO・2026.8.5公開)。歌詞を日本語で聴き直せるYouTube ↗

分解と、再構築

この曲はいまも、別の音楽家の手で分解され、組み直されつづけている。

Virtual InsanityとBee Geesを一曲に混ぜた、スタジオの1テイク。

Pomplamoose「Jamiroquai × Bee Gees Mashup」(PomplamooseMusic公式)Pomplamooseの部屋へYouTube ↗

30年前、彼はこれを
「Virtual Insanity」と呼んだ。

では、いま私たちがいる場所には、
どんな名前をつければいいんだろう。

NEXT STORY

未来の話を読んだ。
次は、時間をさかのぼる歌の話を。