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FUNK SPECIAL VOL.1

ファンキーは
どこへ行った?

ファンキーって、なんだ。
辞書を引いても、答えは出てこない。
腰に聞け。足に聞け。肩に聞け。
ほっといても体が勝手に動いてしまう、あれのこと。

ロックは死んだ、なんて言われた時代もあった。
じゃあ、ファンキーはどこへ行った?
チーズを探して迷路を走ったネズミみたいに、
今日からファンキーを探しに行こう。
ひと口ずつ、飴みたいに。8粒どうぞ。

はじまりの3粒:「God Make Me Funky」聴き比べ

「神様、俺をファンキーにしてくれ」。1975年に願った人たちがいて、1993年に若いバンドが同じ願いを叫んで、2009年、ドイツのジャズ祭でCandy Dulferがその願いを吹き鳴らした。同じ祈りが、3つの時代を転がっていく。

03

Pick Up The Pieces (Live 2009)

Candy Dulfer(2009・レバークーゼン)

7分半から再生。8分ごろ「Make My Funk the P-Funk」から「God Make Me Funky」へ。8分50秒ごろ、怒涛のソロ。

寄り道:「funky」はもともと、臭いの言葉

英語のfunkyは、1784年の記録では「古くてカビくさい」。チーズの話だった。それが1900年ごろのジャズの言葉で、ほめ言葉にひっくり返る。「土くさい、強い、深く感じる」。1950年代に広まって、60年代には「イカしてる」になった。くさいものほど、うまい。チーズも、ファンクも。(コンゴの言葉「lu-fuki」から来たという説もある。)

出典:Online Etymology Dictionary / Wikipedia: Funk

04

「ファンクは、黒人のロックンロールだ」

D'Angelo(聞き手 Nelson George)(『Black Messiah』より前の収録)

「ロックンロールはブルースを速くしたもの。ファンクはその真ん中。でも僕にとってファンクの意味は、黒人のロックンロールなんだ」。そして「まずはJames Brownを聴け」。

05

Sex Machine (Live in Paris)

James Brown(1971・パリ・オランピア)

D'Angeloに言われたとおり、まずはここ。ゲロッパ、ゲロッパ。ブラスもギターもベースも、全員が打楽器になる。

06

Kiss

Prince and the Revolution(1986)

D'Angeloが「入り口はPrinceだった」と話した人。ギターはチャカッと刻むだけ、ベースはいない。すき間だらけなのに腰が止まらない。全米1位。

07

TAWAWAヒットパレード

久保田利伸(日本のファンキー枠)

日本のファンキーは、この人に聞け。久保田利伸は本当にファンキー。「捨てる神あれば拾う神あり」を、ファンクで踊らせる。

08

Legendary Sax-A-Boom

Jack Black × The Roots(2018・The Tonight Show)

最後の1粒は、おもちゃ。ボタンで鳴る生産終了のおもちゃのサックス。楽器がおもちゃでも、ファンキーはファンキー。ファンキーは楽器じゃない、体のほうにある。

で、ファンキーはどこへ行った?

どこにも行ってなかった。1975年のスタジオにも、1993年のステージにも、2009年のドイツにも、テレビのおもちゃの中にも。聴いた瞬間、もう体の中にいる。ほっといても、勝手に動き出す。

ファンキーを探しに行こう。この企画は、まだまだ続く。

次回の候補:Red Hot Chili Peppers(ライブ)、Meshell Ndegeocello(ライブ)、Sly & The Family Stone、Parliament / Funkadelic、Average White Band

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